ピアサポーターとしての「境界線(バウンダリー)」の守り方 やさしい線

ピアサポーター K

ピアサポーターとして活動していると、「相手の気持ちがよく分かる」ことがあります。

「私もそうだった。同じ経験をした」
「その苦しさ、すごく分かる」
「当時の自分を見ているみたい」と共感できます。

ピアサポートの強みは、まさにそこにあります。病気や生きづらさ、孤独、不登校、精神疾患、依存、対人関係の苦しさなど、自分自身が経験してきたからこそ生まれる言葉があります。

専門職の知識とは違う、「経験してきた人の言葉」には大きな力があります。

ただ、ピアサポートを続けていく中で、私自身が大切だと感じているものがあります。
それが「バウンダリー(境界線)」です。

バウンダリーは冷たさではない

「境界線を守る」と聞くと、「距離を置くこと」、「冷たくすること」、「線を引くこと」そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。

私も最初はそうでした。
苦しんでいる人が目の前にいるのに、距離を取るなんて冷たいことではないかと思っていました。

しかし、実際には違いました。バウンダリーは、相手を拒絶するためのものではありません
相手と自分の両方を守るために必要なものです。

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「助けたい」が強くなりすぎる時


ピアサポーターは、自分の過去と重なる場面が少なくありません。すると、気付かないうちにこんな気持ちになることがあります。

「自分が何とかしなきゃ」
「見捨てたくない」
「自分だけは理解してあげたい」
その気持ちは決して悪いものではありません。

でも、いつの間にか相手の人生まで背負い始めてしまうことがあります。

例えば、夜中でも何時間も連絡を取り続けたり、休みの日でも対応し続けたりします。自分の生活が後回しになったり、個人的な付き合いが増えていったりします。
相手の問題で自分まで苦しくなることもあります。

最初は「少しだけ」のつもりだったことが、少しずつ当たり前になっていくことがあります。そしてある日、自分自身が疲れ切ってしまうことがあります。

「寄り添う」と「抱え込む」は違う


私は以前、「寄り添う」ということを勘違いしていました。

どんな時でも一緒にいて、何でも受け止めることが寄り添うことだと思っていました。
でも、それは違いました。

寄り添うことと、抱え込むことは別です。
相手の横に座ることはできても、相手の荷物を全部持つことはできません。

相手の人生を代わりに歩くこともできません。
ピアサポーターの役割は、「助ける人」ではなく、「一緒に歩く人」なのかもしれません。

ピアサポーターとして私が大切にしていること


私自身、バウンダリーを守るために意識していることがあります。

「これは自分ができることか」

「今、自分は無理をしていないか」

「相手の問題まで背負っていないか」

「一人で抱えていないか」

時には、専門職につなぐことも必要です。
時には、「今日はここまでにしましょう」と言うことも必要です。

時には、自分自身が休むことも必要です。
それは逃げることではありません。
長く支援を続けるために必要なことです。

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最後に


ピアサポートは、とても近い支援です。
近いからこそ、温かさがあります。

でも近いからこそ、距離感を失いやすい支援でもあります。
近すぎると、お互いが苦しくなります。
遠すぎると、孤独になります。

だから私は、少し隣を歩くくらいの距離を大切にしたいと思っています。

バウンダリーとは壁ではありません。
安心して一緒に歩き続けるための、優しい線なのだと思います。

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