ピアサポーターのわたしが「あなたの気持ちはわかります」言わない理由
ピアサポーター K
「あなたの気持ちはわかります。」
私も精神疾患を経験しているので、この言葉を期待されることがあります。
でも、私はあまりこの言葉を使いません。
意外に思われるかもしれませんが、それには理由があります。

私は病気になったことで、不安や孤独、自分を責める気持ち、将来が見えない苦しさを経験しました。
だから、「苦しい」という気持ちは想像できます。
けれど、あなたが歩んできた人生と、私が歩んできた人生は違います。
同じ病名だったとしても、症状も、家族との関係も、仕事のことも、失ったものも、大切にしているものも、一人ひとり違います。
だから、「あなたの気持ちはわかります」と言い切ることは、私にはできません。
もし私が苦しかった経験だけを基準にしてしまえば、あなたの苦しさを見落としてしまうかもしれないからです。
私が本当に伝えたいのは、「わかる」ではなく、「あなたの話を聞かせてください」ということです。
話しているうちに、「そんなことがあったんですね」「それは本当につらかったですね」と、一緒に気持ちを整理していけたらと思っています。
私も、回復の途中でたくさんの人に話を聞いてもらいました。
「頑張れ」と励まされるよりも、「そうだったんだね」と受け止めてもらえたことの方が、ずっと心に残っています。
だから今度は、私が誰かの話を受け止める側になりたいと思いました。

ピアサポーターは、答えを持っている人ではありません。
「こうすれば良くなる」と教える人でもありません。
同じように苦しんだ経験があるからこそ、一緒に悩み、一緒に考え、「一人じゃないですよ」と伝える存在だと思っています。
もし今、あなたが苦しみの中にいるなら、無理に元気にならなくても大丈夫です。
私は「あなたの気持ちはわかります」とは言いません。
でも、「あなたの話を聞きたい」と思っています。
そして、あなたが話してくれた時間を大切にしたいと思っています。
それが、私にとってのピアサポートです。

