ゴールデンウィーク後に不登校が増える理由 リズムが崩れたから行けなくなる?

看護師 山田祥和

毎年ゴールデンウィーク明けになると、「学校に行けなくなった」「朝になると体調が悪くなる」「急に涙が出る」といった相談が増えます。

一般的には、「休みが長かったから生活リズムが崩れた」、「ゲームのやりすぎ」、「怠け癖がついた」

そんな説明を耳にすることもあります。もちろん一部はそれもあります。
ただ、普段、精神科訪問看護の現場で子どもたちやご家族と関わっていると、それだけでは説明できないケースがとても多いと感じます。

実はゴールデンウィーク後の不調には、脳と自律神経の回復が関係していることがあります。

子どもは「頑張れている時」ほど、自分のストレスに気づけない


人は強い緊張状態が続くと、脳は感じないようにする働きをします。

これは交感神経が優位になり、いわば「戦闘モード」に入っている状態です。

新学期の4月はまさにこれです。

新しいクラスや新しい先生、新しい友人、人間関係、席順、自己紹介、給食のグループ、クラブ活動

大人が思う以上に、子どもの脳は膨大な情報処理をしています。

特に、発達特性のある、空気を読みすぎる、真面目で失敗を嫌う、周囲に合わせすぎる

こうした子どもは頑張る能力が高い分、限界に気づきにくい傾向があります。


ゴールデンウィークで副交感神経が戻ると、「しんどさ」が見えてくる

ここが、多くの人が知らないポイントです。
休みで家にいて安心できる環境に戻ると、今度は副交感神経が優位になります。

体はようやく「安全だ」と認識します。すると、それまで抑え込んでいた疲労やストレスを脳が認識し始めます。

つまり、休んだから弱くなったのではなく、休めたから初めて無理していた自分に気づく

これがゴールデンウィーク明けに不調が表面化する大きな理由のひとつです。これは大人でも、長期休暇に入った瞬間に熱を出すのと少し似ています。

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朝だけ体調が悪いのは「学校が嫌」ではなく、脳の予測反応かもしれない


「朝になるとお腹が痛い」、「家では元気なのに学校になると頭痛」といった症状も、実は説明できます。

脳には「予測する機能」があります。

前日に学校で緊張した経験が積み重なると、朝起きた瞬間に脳が、「今日もまたあの環境だ」と予測します。

すると脳は身体を守るために、腹痛、吐き気、頭痛、微熱、動悸などを起こすことがあります。

これは“仮病”ではなく、脳の防御反応です。

「学校に戻すこと」を急ぐほど、脳は学校を危険と学習する


ここが支援で最も大切なポイントです。不調が出た時に、「行けばなんとかなる」、「休むと癖になる」、「みんな頑張ってる」

この関わりを繰り返すと、脳は逆に、学校=苦しいのに逃げられない場所と学習してしまうことがあります。

これを避けるためには、まず「学校に行くこと」ではなく、学校を思い出しても安全だと脳が再学習することが重要です。

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支援者が見るべきなのは欠席日数ではなく回復エネルギー


私たち訪問看護ステーションこころいKが見ているのは、「何日休んだか」ではありません。

見ているのは、笑える時間があるか、好きな話題に反応するか、食欲があるか、睡眠が取れているか、家族以外と短時間でも話せるか、外の空気を吸えるか

こうした回復エネルギーです。

学校復帰は、そのエネルギーが貯まった結果としてついてくるものです。順番を間違えると、長引くことがあります。

ゴールデンウィーク後に学校へ行けなくなる子は、弱いのではありません。


むしろ、4月を全力で頑張りすぎた子ほど、5月に立ち止まる。

そう見ると、関わり方が少し変わってくるかもしれません。

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