アルコール依存症の夫と共依存の私④

看護師 山田祥和


アルコール依存症のご家族の話です。
依存症で苦しんでいる他の家族の力になれればと、協力してくれています。

夫は、お酒がやめられない、働かない、働けない、飲酒運転して事故を起こす、万引きをする、私や娘に暴力を振るう、最低な人間。

第八章:回復のキッカケ

暴力夫から、娘は小さい弟や私をいつも守ってくれます。
そこら辺の6歳の子どもではありません。今回も暴れそうな夫から自ら犠牲になって私や弟を守ろうとしています。

いつもごめんね。

私がお母さんじゃなかったら、、、

うちに生まれてこなければよかったのに、、、

私は娘への申し訳ない気持ちから、気がついたら夫を掃除機で何度も何度も殴っていました。

バンバンバンバン

全力で叩きます。

ドンドンドン

やめろー!やめろ、コラ!

夫は抵抗します。

バンバンバドンドン

それでも叩き続けます。

ふざけるな!てめぇー!

抵抗して向かってきます。

ふざけるな!やんのか!オラ!

威勢よく怒鳴り散らします。

バンバンバン

やめてくれー

ドンドンバンバンバン

・・・・

静かになりました。


結果私の圧勝でした。

酔っ払っていて足元がおぼつかないため、私の力には到底及びません。

そもそも夫はガリガリでした。
私はデブです。

ここまで読んでくださった方は、か弱い女性を想像していたかもしれませんが、実は私、体重90kg以上のデブなのです。

夫は私の体重の半分くらいしかありません。

この日を境に私の中で何かが吹っ切れました。夫は強がっているだけで私には何一つ勝てないのです。
収入でも   (働いてないので0円)
友人の多さでも(友達は一人もいません)
社会的地位でも(そもそも社会に出ていません)
そして力でも (ガリガリ君)


それからの私は、夫が酒を飲んで管を巻いたら力で酒を取り上げました。
物を投げてきたら倍にして投げ返しました。
子どもたちに被害が及びそうになったら、世間体など気にせず、すぐに警察を呼びました。

娘も警察に電話するようになりました。

夫は可哀想なくらいおとなしくなりました。

そして、職場の同僚の勧めもあって、夫は病院で依存症の治療を受けることになりました。
スリップ(再飲酒してしまうこと)することもありますが、私たち家族は一喜一憂しません。
今のところやめています。家族に笑顔が戻ってきています。


回復のキッカケは、間違いなく、間違いなく私が変わったことです。

次回は自助グループについて書きます。

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