発達障害の方(児)への支援

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親の育て方や本人の努力不足ではない

発達障がいとは

発達障がいとは、生まれ持っての脳の発達の障がいです。
脳機能の発達が通常と違っているために、小さいうちから症状が現れます。
育て方や躾がなってないわけではありません。
治すという考えではなく、付き合っていくという考えのもとの支援が正しいと言えます。

2012年
文部科学省の調査において、公立の小・中学校の通常学級において、学習面又は行動面において著しい困難を示す(発達障がい)児童生徒が6.5%程度の割合で在籍していることが明らかになっています。
一つのクラスに5,6人にいることになります。珍しい障がいではありません。

発達障がいには、自閉スペクトラム症(ASD)(アスペルガー症候群を含む)、注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい(LD)などがあります。

空気が読めない 冗談が言えない

自閉スペクトラム症(ASD)

「コミュニケーション」「想像力」「社会性」の3つに特徴がみられます。兆候が表れる時期は概ね1歳半くらいからといわれています。

興味や関心の幅が狭く物事につよいこだわりがあります。臨機応変が苦手で、対人関係も苦手です。
・視線が合わないか、合っても共感的でない
・表情が乏しい、または不自然
・名前を呼んでも振り向かない
・人見知りしない、親の後追いをしない
・抱っこや触られるのを嫌がる
・一人遊びが多い、ごっこ遊びを好まない
・食べ物の好き嫌いが強い

知能の高い方でも自閉症スペクトラム障害によって社会適合が難しく社会生活が困難な方もいます。
一人ひとりの特性に合わせてサポートすることが重要になってきます。

落ち着かない 忘れ物が多い

注意欠如多動性障害(ADHD)

子どもから成人まで幅広く見られる発達障がいの1つで、不注意、多動性、衝動性の症状が特徴です。
・忘れ物が多い。いつも同じミスをしてしまう
・落ち着きがない。じっと座っていられない
・話を聞けない
・衝動買いをしてしまう
・すぐに手が出てる
・危険な行為でも深く考えず行動してしまう
・思ったことをすぐに言ってしまう。順番を待てない

衝動性、集中力のなさや落ち着きのなさの程度がひどく、学校生活や仕事、公私での人間関係などに支障が及びます。
以前は成長とともに落ち着くと考えられていましたが、近年大人になっても症状が続く人が多いことがわかり、大人のADHDが注目されています。
世界保健機構(WHO)の推定によると、世界的な成人期のADHD有病率は、全人口の3.4%と報告されています。

小銭を使えない

学習障がい(LD)とは

簡単に言い表すと、知的発達に大きな遅れはないのに、学習面で特異なつまずきや習得の困難をもつ人のことです。
「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算する」、「推論する能力」のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示します。
その原因として、中枢神経系に何らかの機能障がいがあると推定されますが、視覚、聴覚、知的、情緒などの障がいや、環境的な要因が直接的な原因となるものではありません。 
・文字を書く際に、余分に線や点を書いてしまう。鏡文字になってしまう
・文字の大きさや形がバラバラ・マス目からはみ出る
・読むのが遅く、不正確
「ね」「れ」「わ」が一緒に見えてしまう
・「ソ」「ン」、「シ」「ツ」が一緒に見えてしまう
数の大小の概念を理解できていない
・九九を覚えられていない。九九を暗記しても計算に応用できない
・繰り上がり繰り下がりの筆算ができない
 
親でも学習障がいは気づきにくく、見逃されることが多いです。
LDも自閉スペクトラム障がい、ADHD同様、親のしつけ方や本人の努力不足ではないのです。
誰にでも得意、不得意はあり、苦手なことがない人間はいません。
それこそが個性そのものです。 LDという障がいは、理解と支援を必要とする個です。

予防が大切

二次障がい

・他者の気持ちが理解しにくい
・場の雰囲気が読めない
・同じミスを何度も繰り返す
・衝動的ですぐ喧嘩をする
・字が書けない
・計算ができない・・・
 
発達障がいを持っていると周囲との関係性を築きにくく、孤立することがあります。
とても生きにくいです。場合によってはいじめの被害にあうこともあります。
周囲の理解が得られず、的はずれな叱責や、無理な努力を強いられることが多く、結果としてたくさんの不利を背負ってしまいます。
「言ってもわからない子」「自分勝手な人」「ダメな子」という親からもレッテルを貼られることもあります。

 
叱責の中で生きてきたために自信がなくなり、自信がなくなるとうつ病などの精神疾患を発症する場合もあります。
これが二次障がいです。
頭痛や腹痛などの身体症状も現れ、ひきこもり、自傷行為、非行、依存・・・
 
自分ではどうすることもできないのが特徴です。
発達障がいは生まれ持っての障がいです。得意な部分も多々あります。
大切なことは二次障がいを起こさないことです。

関りの中でゆっくり物の捉え方を変えていく

支援
 
発達障がいはその障がいの特性から、他者よりも苦手な部分があります。
しかし、その反面得意な部分もあります。
支援としては苦手な部分を少しフォローし、得意な部分をいっぱい伸ばすことです。
そして二次障がいを起こさない、人よりも秀でている部分があるという自信に満ちた人生を過ごすことを目標とします。
 
支援の流れとしては、脳の特性を突然変えることは難しいので、関りの中で、物事に対する捉え方をポジティブにしていきます。
考え方を変えるだけで人とのトラブルもなくなり、随分生きやすくなります。
そして自分自身のもつ不得手な部分にも気づくように関わり、少し意識でき、改善できるように支援していきます。
 
また、周囲のかかわりが非常に大切になってきます。
発達障がいの特性を家族や周りの人がよく理解し、その人にあったやり方で学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。
 
訪問看護ステーションこころいKでは、相談を通して、趣味を通して、ゲームを通して、SSTを通して、カウンセリングを通して、その人のよいところを見出し、支援していきます。

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