パニック発作 みんなの対処法 ~パニック発作はこう乗り越える~
看護師 山田祥和
本日は、パニック発作について、みなさんが行なっている対処方法を紹介したいと思います。
パニック発作の症状は、人それぞれです。動悸、特に口から心臓が飛び出してしまいそうな強烈な動悸。身体の震え、息苦しさ、大量の発汗。それらに伴う恐怖感などなど。

1 発作が出そうになったときにやっていること
5・4・3・2・1 グラウンディング
不安で頭が真っ白になる前に「今ここ」に戻す方法。
見る・聞く・触る・嗅ぐ・味わうの順で意識を向ける。
①見えるものを5つ
②触れているものを4つ
③聞こえる音を3つ
④匂いを2つ
⑤味を1つ
頭の暴走を止めやすく、多くの当事者が「即効性がある」と話しています。
呼吸法(ゆっくり吐くことを先に)
吸おうとすると余計苦しくなることが多いので
「吐く → 自然に吸える」という順番がポイント。
①4秒かけて吐く
②2秒止める
③2秒でふわっと吸う
「細く長く吐く」だけでも落ち着く人が多いです。
「これはパニック発作。数分でおさまる」と声をかける
パニック発作は生命の危険はないという知識があるだけで軽減することが多いです。
不安の悪循環を止める効果があります。
2 外で発作が来そうなときの対処
座れる場所・壁・柱を見つけて背中を預ける
姿勢が安定すると、呼吸が整いやすいです。
水をひと口だけ飲む
「飲む」という動作で意識を現実に戻せる。
冷たい水だと交感神経が落ち着く人もいます。
すぐ帰らなくてもいい「退路」を作っておく
①乗り物は端の席
②出口に近い席
③混雑時間を避ける
④同行者に「もし発作が出たら少し外に出るかも」と伝えておく
「逃げ道がある安心感」だけで発作が出にくくなるという声が多いです。
歯医者や美容院が苦手な場合、パニック症であることを先に伝えておくことで楽になります。
3 家にいるときの予防法
スマホの明るさを落とす・寝る前のSNSを控える
刺激が強いと自律神経が乱れやすい。
カフェイン・糖分を控えめに
多くの当事者が「コーヒーで悪化した」「エナドリで動悸が増えた」と話します。
完全にやめる必要はなく、量を減らすだけでも効果があります。
体を動かす(散歩やストレッチ程度で十分)
激しい運動ではなく「呼吸が乱れない程度」。
10分でも自律神経が整い、発作の頻度が下がる人は多いです。
4 考え方の工夫(認知行動療法でよく使われるもの)
「最悪の想像」を止める訓練
パニックは「〇〇になったらどうしよう」という予期不安が大きな原因。
出てきたら紙に一度書いた後、「実際に何回その最悪が起きた?」と冷静に問い直す。
小さな成功体験を積む
外出できた、コンビニに行けた、電車に1駅だけ乗れた。
「できた」経験を積み重ねると発作が出にくくなる。
私たちも、訪問看護で一緒に成功体験を積んでいます。
「看護師さんが一緒だから安心する」とよく言われます。
苦手な場所を少しずつ段階的に スモールステップが基本
いきなり満員電車に挑まない。
1駅 → 2駅 → すいている時間 → 普通の時間
と段階を作ると成功しやすい。
進行方向も大切です。東京方面は混みますので反対方面から挑戦します。

5 「やらないほうがいいこと」
無理に我慢して長時間そこにとどまる
逆にトラウマになって悪化することがあります。
「休む」選択肢も大事。
暴露療法を、きついのに無理して頑張って行うこと。
発作の気配を感じた瞬間に100%回避する
毎回逃げると「場所=危険」という学習が強まり、広場恐怖に発展することもあります。
極端な避けるのはよくないです。
逃げる/少し試す のバランスが大切。
ネットで症状検索しすぎる
調べるほど不安が増える悪循環になりやすい。
6 周りの人にできること(家族・パートナー)
①「落ち着いて」は逆効果になりやすい
②「ここにいるよ」「ゆっくり吐こう」など寄り添いの声かけが有効
③手を握る、背中に触れるなど身体的な安心を与える
④発作のときに判断や説得をしない
⑤本人のペースを尊重する
7 最後に
パニック障害は「よくなる病気」です。
そして、「そういえば最近発作がないな」と意外と知らないうちによくなっていることがあります。
あまり頑張りすぎず、無理をせず、「何となくやり過ごす」のがいいのかもしれません。

