ヤンキー社長、強迫症になる①

看護師 山田祥和

本日は、是非自分の経験を書いて欲しいとの希望が利用者さんからありましたので、個人が特定されないように書きます。

以下利用者さんの体験談

自分は子どものころからヤンチャで、中学に入ってから不良になり、喧嘩に明け暮れていました。暴走族ではトップを張って、別の暴走族との抗争もよくありました。

仲間とつるみ悪いことばかりしていました。

中学卒業後(ろくに行っていませんでしたが)は高校を1週間で辞め、ぷらぷらしていました。昼間寝て、夜街に出て喧嘩をする、そんな毎日でした。

目が合ったら因縁をつけ喧嘩

強いヤツがいるという噂を聞けば隣町まで行って喧嘩していました。

一対一では負け知らず

自分が最強だと思っていました。実際最強でした。

遊びに飽きて働いたこともありましたが、上と揉めて長続きしません。すぐに喧嘩になってしまいます。

そこで20歳で自分で会社を起こしました。

最初は苦労しましたが、持ち前の気持ちの強さと気合いと根性で、30代で従業員50名規模の会社にしました。見た目はヤンキーでしたが😆

従業員にも気持ちを叩き込んでいました。うつ病になる従業員もいましたが、気合いが足りんと愛の鞭を打っていました。

働くことが男だという信念の元、1日15時間以上働いていました。

しかし、そんな自分がある日を境に働くことができなくなりました。

体も丈夫で、気持ちも強く、どちらかというと自分勝手な自分が、人を傷つけてしまうのではないかという思いに駆られるようになったのです。

外に出ると自分が人にぶつかって転ばせてしまうのではないか、自分が新種の菌を持っていて感染させてしまうのではないか、運転していると意識を失って人を跳ねてしまうのではないか

身につけていたボタンが外れて、そのボタンを踏んで転ばせて頭を打って、、、

怪我人がいないか自分が通った跡をまた通ったり、新聞を読んで事故がないか確認したり、警察に事故、事件がないか電話したり

ヤンチャで、どちらかというと自分のことしか考えていなかったそんな自分が、人を傷つけてしまうのではないかという思いに駆られて引きこもるようになりました。仕事どころではありません。

家族や従業員にも、傷つけてしまっていないか何度も何度も確認しました。

周囲の人間は決まって心配しすぎたと言います。自分でも合理的でないことはわかっているけど気になってしょうがありません。

家族も、自分があまりにも確認するため疲れ切っていました。

自分は自分で、もう誰も信用できず、怖くて怖くて、人を傷つけてしまうことを恐れるあまり、部屋に引きこもるようになりました。

自分と接すると、菌が移って病気になったり、ぶつかって怪我をする恐れがあるため、なるべく誰とも関わらないように、生活していました。食事だけ運んでもらいました。仕事のことなど考えられません。

精神科なんてもってのほかだと思っていましたが、家族に付き添われ、渋々受診しました。

あなたは強迫症で加害恐怖という症状です。病気です、と言われました。

気持ちの強さと気合いで生きてきましたが、まさかまさかです。

今日はここまでで、次は回復までの話をします。

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