どうして夕方から夜にかけて不安になるの? ~みんながやっている対処法~

看護師 山田祥和

夕方から夜にかけて不安になるのは、実は多くの人が感じています。全然珍しいことでも恥ずかしいことでもありません。

夕方から夜に不安になりやすい理由

1.自律神経の切り替わり
副交感神経の優位化: 日中活動している間は交感神経が優位ですが、夕方から夜にかけては体が休息モードに入るため、副交感神経が優位になります。この自律神経の切り替わりの際に、人によっては心身のバランスが崩れ、不安感や動悸、息苦しさなどの不調を感じやすくなることがあります。

2.ホルモンの影響
セロトニンとメラトニン: 幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは、日中に太陽光を浴びることで分泌が促進されますが、夜になると分泌量が低下します。セロトニンが低下すると、気持ちの落ち込みや漠然とした不安感につながることがあります。また、睡眠ホルモンであるメラトニンは夜に分泌が増えますが、そのバランスの乱れも不安感に影響することがあります。

3.環境の変化
光の減少と静寂: 日が暮れて暗くなり、周囲が静かになることで、外部からの刺激が減り、自分の内面や思考に意識が向きやすくなります。これにより、普段は意識しないようなネガティブな考えや不安が浮上しやすくなることがあります。
情報の遮断: 夜は日中に比べて情報量が少なくなるため、余計なことを考えすぎたり、反芻思考(同じことを繰り返し考えること)に陥りやすくなることもあります。

4.疲労の蓄積
一日の終わりには、心身に疲労がたまっています。疲労が蓄積すると、感情のコントロールが難しくなり、イライラや不安を感じやすくなることがあります。

5.「一日が終わる」ことでの焦りや孤独感
「今日も何もできなかった」「また一人の夜だ」といった後悔や孤独が、静かな時間に湧いてくることがあります。

6.過去のつらい記憶と結びついている
過去に夜に不安を感じた経験があると、「また来るかも」と無意識に身構えてしまうことがあります。

原因は様々です。

みんながやっている対処法・工夫

1.ルーティンをつくる
例:18時にお風呂、19時にお気に入りの音楽、20時に日記を書く…など、夜の流れをパターン化して「安心感」を作る。

2.昼寝は短めに(30分以内)する。

3.ストレッチをする。
体を動かすと、不安を和らげるセロトニンやエンドルフィンが分泌されます。

4.「不安を書き出す」→「できることを1つ探す」
ノートやスマホメモに不安を書いて、現実的にできることを小さく1つ書く。行動することで、コントロール感が得られます。



5.ぬいぐるみ、アロマ、音楽など「自分だけの安心アイテム」を用意する。
五感を使ったリラックス法は、心を落ち着かせる効果があります。

6.誰かとつながる。
信頼できる人にLINEをする、SNSで共感し合える投稿を見るなど、「ひとりじゃない」と感じられると安心します。

7. 間接照明を使う・部屋を整える
薄暗くなると気分も沈みやすいので、あたたかみのある照明や快適な空間づくりで「安心感」を。

8.暗くさせない。早めに部屋を明るくする(夕方になる前に照明をつけておく)

9.ぬるめの湯に浸かる。

10.不安を否定せず、「そうだね」「大丈夫だよ」と受け止める。

11.みんなあることで自分だけではないと言い聞かせる。

12.出かける。じっとしていると不安が増すので散歩する。

13.早めに布団に入って寝てしまう。

人によってやり方は色々あり、自分に合ったやり方を見つけるのが大切です。みなさん自分に合った方法でやり過ごしています。

補足:不安は「悪いこと」ではない

確かに不安は辛いです。経験しないと分かりません。

しかし、不安は、危険を察知して身を守ろうとする自然な反応です。

だからこそ「不安になる自分はダメ」と思わず、「今はそういう時間帯なんだな」と受け入れることが第一歩ですかね。

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