そもそも学校に行かないことは何が問題なのか 〜本当に学校は必要かを考える〜
看護師 山田祥和
本日も学校についての話をします。
学校に対しての考え方は本当に人それぞれです。
「義務教育だから行かなければならない」
「行けるなら行った方がいい」
「勉強なんて意味がないから行く必要はない」
「どっちでもいい」
保護者や学校の先生、支援者の多くが「どうしたら学校に行けるようになるのか」と悩んでいます。
しかし、そもそも学校に行かないことは何が問題なのでしょうか。
そして、本当に学校は絶対に必要なものなのでしょうか。
この問いについて、支援の現場で子どもたちや家族と関わってきた立場から考えてみたいと思います。

AIやSNSが言う「学校に行く意味」
今は、何か疑問があればSNSやAIがすぐに答えを示してくれる時代です。
「学校に行く意味」と検索すると、さまざまな答えが出てきます。
勉強をして知識を身につけるため
人間関係を学ぶため
社会性を身につけるため
将来の進学や就職のため
これらは確かに学校の役割の一部です。
学校では、勉強だけではなく、友達と関わる中で人間関係を学びます。時には喧嘩をしたり、仲直りをしたり、勝ったり負けたりする経験もします。
その意味では、学校は社会に出る前の「小さな社会」と言えるのかもしれません。
それでも学校に行けない子どもがいる
しかし現実には、学校に行けなくなってしまう子どもがいます。
人間関係に悩む
いじめに苦しむ
集団生活がどうしても合わない
勉強が苦手
発達特性があり学校の環境が合わない
学校が安心できる場所ではなく、苦しい場所になってしまうこともあります。
そのような状態で無理に学校へ行き続けると、心や体が限界に近づいてしまうことがあります。
うつ状態になったり、自己否定が強くなったり、自分を傷つけてしまうほど追い詰められるケースもあります。
私としては、いつも言っていますが、「病気になるくらいなら学校に行かなくてもいい」という考えです。
これは学校を否定しているわけではありません。
子どもの命や心の健康の方が、何よりも大切だからです。
当然「行けるなら行った方がいい」です。
本当に問題なのは「孤立」
では、学校に行かないことの何が問題なのでしょうか。
支援者として感じるのは、問題は学校に行っていないことそのものではないということです。
本当に心配なのは「孤立」です。
学校に行かないことで、外に出る機会が減ってしまうことがあります。
昼夜逆転してしまうこともあります。
家族以外と話す機会がほとんどなくなってしまうこともあります。
そうなると、子どもの世界はどんどん狭くなっていきます。
さらに「みんなは学校に行っているのに、自分だけできない」という思いが強くなり、自己否定が深まってしまうこともあります。
つまり、問題は「学校に行っていないこと」ではなく、社会とのつながりがなくなってしまうことなのです。

学校だけが学びの場ではない
学校には大切な役割があります。
勉強を学ぶ場であり、人間関係を経験する場でもあります。
社会のルールや協力することを学ぶ場所でもあります。
しかし、学校がすべてではありません。
世の中には、さまざまな学び方があります。
フリースクール
通信制高校
オンライン学習
地域の居場所
学校以外にも、人と関わりながら学ぶ場所はあります。
大切なのは、「学校に戻すこと」だけを目標にするのではなく、その子が社会とつながる場所を見つけることです。
学校は必要なのか
では、本当に学校は必要なのでしょうか。
私は、学校は大切な場所だと思っています。
人と関わり、協力し、時には失敗や挫折を経験することは、成長にとって大切な経験です。
だからこそ、繰り返しになりますが、行けるのであれば学校に行った方が良いとも思います。
しかし、学校がすべてではありません。
学校という仕組みがすべての子どもに合うとは限らないからです。
学校が合わない子どもにとっては、別の場所で学び、成長していく道もあります。
支援者として大切にしたいこと
不登校の子どもに関わるとき、私たちが大切にしていることがあります。
それは、「学校に行けているかどうか」だけで子どもを評価しないことです。
その子が今どんな気持ちでいるのか。
何に苦しんでいるのか。
どんな場所なら安心できるのか。
そこに目を向けることが大切です。
学校に行くことがゴールではありません。
その子が安心して生きていけること。
社会とつながりながら自分らしく生きていけること。
それこそが、本当に大切なことなのではないでしょうか。
そして私たち大人に問われているのは、「どうやって学校に行かせるか」ではなく、「子どもが安心して学び、成長できる社会をどう作るか」なのかもしれません。


