精神科訪問看護 〜私たちが大切にしていること〜
看護師 山田祥和
私たちは神奈川県伊勢原市、平塚市、茅ヶ崎市、厚木市、秦野市にて精神科の訪問看護を行っています。
私たちは、訪問看護を行う上で大切にしていることが3つあります。今日はその3つについて話したいと思います。
①病気や障害があっても、こころよい生活が送れること。
②病気や障害を抱えていても働けること。
③精神疾患を予防すること。

①病気や障害があっても、こころよい生活が送れること。
幻聴があっても、強迫症状があっても、気分の波があっても、趣味を楽しんだり、友人と雑談したり、時々映画を観に行ったりできる生活が理想です。
私たちは、病気だけでなく生活全体をみて、こころよい生活ができることを目指します。
薬物療法で幻聴は良くなったけど、副作用のアカシジアでその人の生活が台無しになっては何もなりません。
病気(症状)は良くなったけど、その人が廃人になってしまうことは、医療的視点ではよくあることです。
十分に話を聴き、一緒に目標を立て、一緒に行動し、時に楽しみを共有しています。

②病気や障害を抱えていても働けること。
これからの時代、少子化が進むことは防ぐことができません。労働生産人口は減るばかりです。
そこで、精神疾患を抱えていても働けることが大切になってきます。
精神疾患を抱えていても働くことに関して、近年では、「合理的配慮」や「ダイバーシティ(多様性)」の考え方が社会に浸透し、精神疾患を抱える人が働くことへの理解も少しずつ進んできています。
精神疾患を持ちながら働く当事者の発信やSNSでの交流も増え、「隠す」から「共有して支え合う」文化へとなりつつあります。
私たちはその人に何が合っているのかを考え、色々提案し、少しでも得意なこと、好きなことが仕事になるように支援しています。
プログラミングをやってみたり、写真を撮ったり、エンジンを分解してみたり、絵を描いたり、色々な経験をして得意と好きが見つかればと思っております。

③精神疾患を予防すること。
病気は予防できることに越したことはありません。
精神疾患の中には予防できる病気もあります。
正確な知識があり、適切な対応ができれば防げる疾患もあります。特に発達障害の二次障害は予防できる部分もあります。そのためにも早い段階のでの家族の理解、周囲のサポートが大切になってきます。
周りの環境が良かったり、自分に自信があったりすると、こころは強くなります。
私たちは、環境を調整し、自信を育てることを大切にしています。